4-3. アライアンス、コラボレーション

マーケティングや新規事業を具体化する段階では、企画の独自性や斬新さと同時に立ち上がりのスピード感や初動のインパクトが求められます。
企画の独自性や斬新さについては、発想力やアイディア次第でクォリティをあげることは可能ですが、スピード感や初動のインパクトの部分、特に立ち上げ初期の認知獲得や集客をブレークする水準まで獲得するには、企画の独自性や斬新さにこだわるだけでは局面を打開できないことがあります。

大企業で広告予算が潤沢にある場合は、広告投資を継続することで初動のスピード感を得ることも可能ですが、そういったことができる企業は数多くはありません。

他方、初期の認知や集客を他社との協業でおぎなうことができると状況は一変します。具体的な例としては、既に認知度や集客力をもっている小売チェーンや媒体、サービスを保有している事業社と提携するなどです。

ただ、この際に絶対に留意すべき点が、認知や集客の「質」の問題です。逆説的にいうと認知や集客の「数」にこだわって、失敗するケースがあまりにもよくあります。(広告を買う場合にも同じことがあてはまり注意が必要です)

認知や集客の「数」が万能ではない例は数多くあります。
例えば、ネット媒体として圧倒的な集客力を誇るYahoo! JAPANは一日で一億以上のアクセスがあります。このYahoo!では、ヤフーショッピングというネット通販・ショッピングサイトを開設しています。ヤフーショッピングは、近年出店料を無料にするなど思い切った施策を展開、テレビCMなども大々的に行ってきていますが、流通金額ではAmazonや楽天に大きく水をあけられ、かつ差が開く一方です。

もし認知や集客の「数」が万能であれば、ヤフーショッピングが楽天、Amazonに負けることはなかったでしょう。ですが、重要なポイントとして、ネットユーザは自らの目的に沿ってサイトを明確に使い分ける傾向・特性が強くあります。よって、ヤフーニュースを見にくることが1日1億あったとしても、買い物をする際にはそこに併設されているヤフーショッピングではなくAmazonや楽天にアクセスしなおす人が圧倒的なのです。

また他の事例として、流行のスマホゲームとのコラボレーションがあります。これは、スマホゲーム内で特別にもらえるアイテムの代わりに別のサービスに集客や利用・会員登録等を促す施策です。この施策は瞬間風速的な集客は見込めるものの、ゲームアイテム目当てのユーザは定着率がほぼゼロであることが多く、かつ、瞬間風速的に訪問するユーザの影響でサーバーがダウンするなど本末転倒で期待する効果が得られない事態が多々発生しています。

上記はあくまで一例ですが、「数」の認知や集客力に意味が無いことが少しおわかり頂けたのではと思います。

では、「質」の集客力を獲得するにはどうすればよいでしょうか。

「質」を高めるために重要な観点は、アライアンスやコラボレーション先の企業が保有するユーザ層と、ターゲットとの親和性です。基本属性がマッチしているというのも一部あてはまりますが、それだけではなく行動特性や嗜好性、協業先と連携した場合のユーザ行動や購買シナリオなどを吟味した上でアライアンスやコラボレーションをしかけることが重要です。

ターゲットの視点で企画内容をウォークスルーすることも有効です。机上で設計したユーザシナリオを実際のユーザで検証をすると、企画者の視点では顕在化しなかった課題や改善点が発見されることはよくあります。

また、このウォークスルーで既存のブランド毀損のリスクへの配慮も行うべきです。場合によって、ブランド毀損リスクが完全にゼロにはならないケースもありえますが、その際には、リスク対効果も踏まえたうえで議論し、GONO GOの判断が必要です。

最後にこれが最も大切なポイントかもしれませんが、企画が具体的になった段階でその有効性に対する手応えが得られなかった場合は、潔くNO GOの判断をすべきです。アライアンスやコラボレーションの場合、相手側企業に変に気をつかってNO GO判断ができないケースが多々あります。二者間の調整ではどちらが言い出すのか、片方が前向きな場合どうするのかなど心理・心象面でも難しい局面もありえるので、弊社のようなコンサル会社をを間に入れることで協業の停止も含めたコントロールをすることも非常に有効な手段といえます。

実際に弊社が担ったアライアンスやコラボレーション案件でも、相互の企業の言い出しにくい部分を弊社が代弁することで、当事者間の関係性は円滑で良好に保てたケースが多くあります。 

こういった観点や対策を取り入れることで、アライアンスやコラボレーションの具体策はより意義や有効性のある方向にもっていくことが可能です。

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