Loading

マーケティングとは

マーケティングとは?

「マーケティング」という言葉は頻繁に使われていますが、その定義については明確な共通理解がないのが現状です。具体的には、以下のように人によって解釈の範囲に幅があり、憂慮すべきはそれらがバラバラで成り立つように取り扱われている点です。

狭義のマーケティング

  • 販促、プロモーション、イベントなどの顧客接点の構築手段
  • 市場調査やリサーチ、アンケート、インタビューなどの調査手法
  • 4P、ターゲティング、セグメンテーション、SWOT分析などの論理モデル構築手法
  • ITを活用した、SNS/Webの活用、マーケティングオートメーション、ビッグデータ

広義のマーケティング

  • マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。(出展:アメリカ・マーケティング協会(AMA;American Marketing Association)2007年の定義)
  • 「マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。」(出展:日本マーケティング協会)

上記の全てマーケティングに包含されることに異論はないと考えますが、それが本当の意味を持つためには、全体を統合する「マーケティング戦略」が存在している必要があります。具体的な例では「商品・サービスが売れないのでSNS広告をしたが、結果意味が無かった」といったケースがあります。これはマーケティングではありません。

・誰にどういった訴求を行うことが最も効果的なのか?という戦略仮説
・実施効果検証を進める枠組みを設計
上記を設定した上で、はじめてSNS広告はマーケティングとなります。
ですが、これを真に理解して実行している企業は多くはありません。

経営学者ピーター・ドラッカー氏は、”マーケティングの理想は、販売を不要にするものである。” と述べています。
WEB時代に本格的に突入している現在、ユーザーは広告プロモーションに代表される企業の販売行為に飽き飽きしており、嫌悪感すら抱いています。ドラッカー氏が亡くなって10年以上がたちますが、彼の残した言葉はますます重要性を増しており、企業は販売を不要にするマーケティングとは何かについてより深く考え、その実現にむけて積極的に活動する必要があります。

ブランディングとマーケティング

上マーケティングと近い考え方で、ブランディングがあります。
これもマーケティングと同じく、その定義が正しく理解されていないことが多いのが実情です。

例えば、とある会社では、
市場を作り広げるのが「マーケティング」で、ブランドのイメージを 構築し理解させることが「ブランディング」
・マーケティング = 「相手に伝える」ための手法
・ブランディング = 「相手に理解してもらう」ための手法
という形で定義されていますが、これだけでは理解が難しいです。

私共の見解は、
・ブランディング = 企業や商品・サービスのブランド価値を高め、訴求する活動
・マーケティング =「売れる仕組み」を構築する活動の総称
と考えています。ですえ、上記と同じように概念だけではその表現方法は多種多様で、その本質的な意味をお伝えするのは無理があるようです。

ブランディングとマーケティングの違いについて

ブランディングとマーケティングは実施目的やKPIで考えると、よりその違いが明確になります。

ブランディングとマーケティングの違いの表

ブランディングの効果

商品やサービスの付帯的価値の向上です。
例えば「お茶」と「京都のお茶」ではどちらが高価に感じるでしょうか。
この「京都」の部分がまさにブランド価値であり企業が追い求める一つの形になります。それが企業にとって新しい取り組みや製品だったとしても、企業にブランド力があるかないかで消費者側の印象には雲泥の違いが出ます。それはその企業にとって異分野でのビジネスでも効果を発揮できる場合があり非常に強力です、例えば「ソニー生命」「楽天FX」などが顕著な成功例かもしれません。

マーケティングの効果

「売れる」ことが偶然ではなく、必然に近付くことです。変化の激しい時代、運良く「売れる」ことがあってもそれを維持・拡大させていくためにはその要因を正しく把握し、強化・向上につとめるマーケティングが欠かせません。
闇雲にマス媒体に広告を出稿したり、来店客数の多い店の売り場を確保すれば売れる時代は終わっています。

誰が、なぜ買っているのか、競合は何なのか、情報はどこから伝わったのか・・等など、複雑かつ常に変化する購買者の心理や行動を把握・分析した上でその強化・向上を行う。例えば、リクルート社の雑誌編集の現場では、読者数名と常に意見交換をしながら付録の企画や選定を行うので、常に高い評価を継続できているようです。

ターゲティング

ターゲティングとは、商品やサービスの訴求ポイントやコミュニケーションの手段、マーケティング施策実施後に実際の反応を確かめるユーザー層を絞り込むことです。 そのため、マーケティングを実践するためにはターゲティングが必要不可欠となります。

ターゲットを定めることは当然と考えている方が大半だと思いますが、実際の現場においてターゲットが具体的に設定されて関係者の間で共有されていることはむしろ希です。

法人向けだから、インフラサービスだから、買ってくれたお客さんがターゲットだからなど、各現場でターゲティングが実施されていない理由は様々ですが、私共はどんな事業やサービスでも、顧客というものが存在するビジネスである限り例外なくターゲットを設定すべきだと考えています。

またターゲットを設定しない理由の一つに、ターゲットを設定することが顧客を減らすことにつながると考えている方も見受けますが、少なくともこれは間違いです。
例えば、美容に関心の高い20〜30代女性に絞り込んだターゲティング設定で、訴求メッセージやコミュニケーションを実施したところ、健康意識の高い40代〜50代の方が「QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を高める目的で購入する」というような想定外の層が好反応するというような事はよくあります。

このようにターゲティング設定することは、実際の顧客を排除することではなく、商品やサービスが供給過剰の現代において、その特徴や特性を際立たせ、かつ需要が高い層に的確にアプローチをすることにつながる重要な検討です。

ターゲティングを設定していない場合

ターゲットを設定せずとも売れ行きが好調の場合は一見問題ありませんが、競争の激しいこの時代で商品やサービスや売れ続けるのは至難の業です。当然どこかのタイミングで勢いが落ちてきます。 また、当初から売れない場合も当然あります。

大事なのは、売れない/売れなくなった理由・要因を正しく把握できる否かです。
理由や要因が分からない状況では、打ち手は闇雲になりスピーディーなリカバリーはできません。

この時にターゲティングが明確であれば、施策のPDCAを回すことが可能で、想定していた顧客層のずれや反応の変化を素早く察知し、新たなターゲティングの設定や訴求メッセージやコミュニケーションの改善が可能になります。
仮に失敗が積み重なったとしてもそれは資産になり、次の施策に活かすことが可能です。
しかし、ターゲティングが未設定の場合は、むやみに広告を増やしたり、安易に新商品にシフトするなど不確実性の低い行動を取り続けることになります。

では、ターゲットを具体的にはどのように進めればよいのでしょうか。
ターゲティングの手法の一つが「ペルソナ分析」です。

ペルソナ分析

ペルソナとは、実際に自社の商品やサービスを購入してくれるモデルユーザーを詳細に設定することで、そのニーズや要望を満たす商品やサービスの機能やデザイン設計、告知やコミュニケーション方法に検討に活用するマーケティング手法です。
ペルソナ作成において重要なことは、顧客像を商品やサービスの需要や購入動機以外の側面でも「詳細」に設定するという点です。まるでその人が実際に実在するが如くです。

  • 基本属性

    名前(架空)、イメージ写真、年齢、性別、職業、勤務先(役職や仕事の概要)、学歴、年収、月の可処分所得、おこづかい、ネットリテラシー、健康状態、家族構成、結婚(婚姻歴などパートナーの有無)、居住地

  • 嗜好性・行動

    趣味、好きな食べ物や飲み物、好きなスポーツ、一日の過ごし方(平日・休日)、好きな本、尊敬する人、通勤手段や通勤時間、最近の悩み事

  • 接触媒体

    読んでいる新聞、雑誌。よく見るテレビ番組、目を通しているニュースサイト、WebやSNSなどの利用頻度、見ているサイト、所有しているスマホや携帯電話の機種

  • 購買シナリオ

    購買動機、頻度、購買時に比較する他の商品、購買に影響する他人(奥さん、子供、友達など)

なぜ、商品やサービスと関係のないことも含まれる「詳細」な設定がここまで必要なのかと疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、この「詳細」な設定こそがペルソナの意義そのものに繋がります。

これが「簡易」な設定の場合、たとえばターゲットは20代後半、女性、社会人という程度の設定では、それがどんな人かには相当のばらつきが生まれます。 20代後半の女性だともう結婚して子供がいる方もいれば、仕事をバリバリしている方、美容や自己投資に積極的な方もいれば、基本的にインドアで動画配信やネトゲが趣味の方もいるわけです。

この「簡易」な設定をもとに商品やサービスの訴求方法やコミュニケーションを考えても対象は千差万別でとらえどころがなく、総花的で差し障りのない(=端的に面白くない)マーケティングにならざるを得ません。

しかし、上記の「詳細」設定のペルソナができていれば、それは架空といえども個性を持った人格として存在するがごとくイメージ化され共通意識が持てるので、チームで行う企画会議においても個人の意見ではなく、ペルソナの立場にたった意見や提案を積み重ねることが可能となり、統一性をもった一連のマーケティング施策として磨かれていきます。

3Cとマーケティング

3Cとは、新たなビジネスや製品・サービスを検討する有名なフレームワークで、以下の3つのCの観点から検討を進める考え方です。

  • Customer

  • Competitor

  • Company

おそらく、事業開発や製品・サービス企画、マーケティングに従事されている方で、この3Cを知らない方は、殆どいないと思います。
私共も、十年以上にわたり新規事業やサービス開発、マーケティング案件に従事していますが、どの案件でも例外なくこの3Cフレームワークを活用してビジネスの有効性や実効性の検討を進めてきました。
ですが、3Cは広く普及している一般的な解説や考え方では、実践的な活用が難しいので注意が必要です。

3Cの注意点

マーケティング関連の書籍や雑誌、インターネット検索で「3C」と検索すると様々なサイトでその解説が紹介されていますが、そのほとんどで3Cの観点でそれぞれから考えることが重要という内容に留まっています。
これに乗っ取って、3Cそれぞれの観点で考え、その次は・・・というと、殆どのケースで考えが止まってしまいます。
では、3Cを実践的に活用するにはどういった考え方が必要なのでしょうか。

3Cそれぞれの比重が重要

私共の考えは、3Cは3つのCを分け隔てなく均等に吟味するということではなく、数式で表すと、「Customer(顧客) >>>>>> Competitor(競合) > Company(自社)」 になります。
つまり、3Cの中でもCustomer(顧客)視点の検討が圧倒的に重要で、他のCompetitor(競合)やCompany(自社)は、それと比較するとかなり低い位置付けになります。

実際に検討を行えば分かるのですが、Customer(顧客)視点で、「誰に」何を提供するかの仮説をどう定義するか、例えば、仮にそれが同じ製品やサービスでも、それを「誰に」提供するか、法人か個人か、個人なら性別、年代、職業、居住地、家族・世帯構成、所得、趣味・思考、ネットユーザー向けならパソコンやスマホなどの保有状況やリテラシー等々について、どう設定するかで製品やサービスの訴求ポイント・付加価値・どこで勝負するかが大きく変わります。 そして、比較・意識されるCompetitor(競合)も変化、もちろんCompany(自社)資産の活用内容も変化します。

「他の順番で考えても支障ないのでは?」との異論があるかもしれませんが、例えば最初にCompetitor(競合)の観点、つまり競合・ライバル企業の設定から検討をはじめると結局競合と類似の企画から脱することができません。

十数年前に、日本の大手家電メーカーがこぞって飛びついた3Dテレビなどはその顕著な例でしょう。これに参加していたシャープ、東芝はその後に経営破綻寸前まで追い込まれます。
またCompany(自社)観点、つまり自社資産をいかに活用するかのありきで検討をスタートすると、外部からは理解できない自社都合の企画となり目も当てられません。

Customer(顧客)の需要は常に変化する

3CにおいてCustomer(顧客)観点の追求は一時的であってはなりません。 Customer(顧客)が個人の場合、時間の経過や自身のライフステージの変化と共に需要は変わります。具体的には卒業、就職、引越、結婚、出産、子育て、介護など契機があり、また自身の周辺環境(社会、経済、法律、技術など)の変化にも影響されます。
つまり、Customer(顧客)観点での需要は常に変化するので、仮にそれを一度つかんだとしても変化を正確に把握して対応する施策を講じ続ける必要があるわけです。

これはマーケティング活動そのものです。私共が数あるビジネス活動の中でマーケティングに重きを置いて、そのプロフェッショナルでありたいと考える理由の一端もここにあります。 3Cの実践的活用はすなわち、マーケティング活動をすることと同じだと考えます。

ご不明な点は下記よりお問い合わせ下さい

マーケティングに関するご相談や、新規事業コンサルティングなどの各種お問い合わせは以下フォームより送信下さい。

お問合わせ