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マーケティングリサーチと効果検証について

マーケティングにおけるPDCA

マーケティングは、商品やサービスが顧客に正しく認知・理解され、支持され、購入・利用されていくことを追求する「継続的な営み」です。

消費需要は変化に富み、また多様化が進む現代においては、企業や商品・サービスの寿命は短命になっており、一時的な結果が良好だとしても油断はできません。
誰もが知る大企業の経営破綻が相次いでいる状況を見れば、大企業でも例外ではないことは明らかです。現状に甘んじず、常に新たな取り組みに挑戦し、かつその成功確率をいかに上げるかが重要な時代です。

企業の新たな挑戦に欠かすことができないのがマーケティングです。が、成功確率を上げる為にはある点に留意する必要があります。それは、マーケティングの継続性と、それによりもたらされる各種マーケティング活動結果の資産化です。

マーケティングが継続的に行われ、その資産化が正しく行えていれば、次のマーケティング施策の成功確率を確実に引き上げることができます。失敗した施策も次の成功に向けては資産になりえます。

ですが、多くの企業では失敗事例を積極的に資産化や、ましてや社内で共有することはなされません。むしろその逆です。これは社員を守るという側面ではメリットがあるのかもしれませんが、マーケティング活動にとっては貴重な資産を失うことを意味します。

このような事態を避けるために、製品やサービスの提供開始当初から、成功ありきではなく、失敗も許容・活用してチャレンジを続けることを前提に、社員が仕事に取り組む文化が形成されていれば、こういった問題は回避可能のはずですが、実践できている会社はごく一部で、特に日本企業は不得意です。

私共は、こういった文化が根付いていない企業にとっても、規定の枠にとらわれない外部パートナーとして、ご支援するマーケティング活動においては、常に「継続的な活動」を前提にその成功も失敗も「資産化」することに重きを置きます。

旧来の広告代理店などは、広告効果を厳密に測定されると必ずしも良い結果がでないことが露呈されるため、色々と理由をつけて効果検証に消極的です。また「継続的な活動」ではなく、都度の予算にみあった媒体やイベント企画の提案に終始します。
毎回キャッチーなアイディアや要求にそったクリエイティブの提案は受けられますが、前回の反省や経験・活動資産を活用したマーケティング施策が提案されることはほとんどありません。

大企業において、広告やPRに相当規模の投資をしているにもかかわらず、効果がいまいち実感できず、資産というよりは費用の色合いが濃くなっているのはこのためですが、そうではないマーケティング本来のPDCAを私共はご提案しています。

定量調査、アンケート、マクロ統計

定量調査とは、調査結果が数値(何人とか何%など)になるアンケートなどの調査手法です。官公庁などがひろく世の中一般の動向を把握するために実施しているマクロ統計調査もこれに含まれます。

マクロ統計調査はあくまで参考データという位置づけだとして、企業が自ら設計・実施する定量調査においては「仮説のない調査は全く意味がない」ということを忘れてはなりません。こういう話をすると仮説は、定量調査の後で考えるという方がいらっしゃいますが、調査後に仮説を考えた方を見たことはありません。

仮説のない調査には際限がありません。何が知りたいかの軸が不明確だからなのですが調査を進めていくうちに、あれも知りたいこれも知りたいと調査対象が拡大を続けます。私共はお請けしませんでしたが、以前別の調査会社が担当していた案件では、仮説のないまま調査対象が拡大をつづけ、紙に印刷すると3ヶ月でキングファイル5冊分にまでなったのですが、結局、依頼元企業もその量を読みこなすことなどできずに90%以上は調べただけでお蔵入り(集めた情報はすぐに陳腐化するので資産にもならず)。かつ、調査に疲れて有効な仮説の議論も一切進展がないという無残なプロジェクトがありました。

ここまで深刻な例は稀ですが、仮説のない調査は私共の知る限り頻繁に実施されており、調査報告会で経営陣からの「で?」というそもそもな問いに、誰も答えられないという背筋の凍る場面があったことを年に何度も耳にします。

また、アンケートで面白いアイディアや企画を収集するというアプローチもよく行われますが、ほぼ意味がありません。アンケートの回答欄に書けるようなぱっと考えたアイディアなどに意味があることはほぼないですし、ほとんどはそれすらもない空欄です。

もし、アンケートで面白いアイディアや企画が導き出せるなら、膨大な調査予算や顧客基盤を抱える大企業が新たな施策で失敗することはないでしょう。ちょっとした改善や不満点を治す程度ならアンケートには意味があり、大企業でもそういった活用をされていることは多くあります。
しかし、これまでにはない斬新な取り組みを立ち上げようとする場合、往々にしてそういった取り組みを成功させるのは調査予算などもたないベンチャー企業です。つまり、斬新なアイディアは大衆の声に耳を傾けても出て来ません。主体者の強い意思や想いを磨くために用いるのがアンケートなどの定量調査です。

定量調査はあくまで事実を確認するツールと割り切るべきです。

定性調査、インタビュー(1対1、グループ)

定性調査とは、文字や言葉など数値化できない意見や感想といった文字情報を集める調査手法です。数値で結果が出る定量調査とは違い、画一的・客観的で比較が容易な結果はでないので使いにくい調査手法と考えている方も少なくはないのですが、私共は圧倒的に定性調査の方に重きを置いています。

定性調査は主に「1対1」や「1対多」のインタビューにより実施されます。この様子を調査会社がテキストに起こしたり独自の考察をいれたレポートは、無味乾燥しておりほとんどの場合、意味がありません。定性調査の成果として意義があるのは、インタビュー(の映像)を直接見ることです。インタビューの流れや空気感、発言者の表情、声のトーン、会話の文脈や発言の前後関係など、全て漏らさず把握することが大切で、それが何にも代えがたい発見を数多く生み出してくれます。

定性調査にあまり経験の無い企業の方に定性調査を提案しても「正直、ぴんとこない。そんなに重要と思っていない。」と言われることが圧倒的です。が、一度経験してもらうと目の色が変わる現場を何度も経験してきています。それこそ、撮影した映像を10回以上みる経営幹部の方もいらっしゃるほどです。これはひとえに普段の企業活動の中で知らず知らずのうちに顧客に向き合う機会や時間がいかに少なくなっているかを意味しています。大企業になるほどその傾向は顕著で、どうしても社内事情や競合動向、株主対応に振り回されることが多くなる一方で、肝心の消費者視点がおろそかになることがあります。定性調査は、消費視点を痛いほど感じる貴重な機会であり、言わずもがな商売の本質であるのでそこから学び取れることは無限です。

企業内で賛否が分かれ絶対的な正解の無い方向性を議論する場面でも定性調査は威力を発揮します。文字やデータでいくら正当性や客観性を主張しても納得が得られない場合、定性調査の結果をとりまとめたビデオを見せるとどんな経営幹部もその意見を無視できません。むしろ、経営センスのある幹部ほど消費者の声には敏感で、自らの主張を180度変えることも厭わない方も多くいらっしゃいます。社内説明や小綺麗な資料づくりに時間をかけるよりも、仮説がある程度まとまれば定性調査を実施しその反応を説得材料にしていく方が、その後の事業活動の成功確度があがりかつ検討スピードも圧倒的に早まります。

また、定性調査は継続的に行う必要があるのですが、これを実施している企業は稀です。

マーケティング力に突出している企業では、この定性調査の営みが事業活動に組み込まれ自然と継続されています。代表的な例では、リクルート社などでは雑誌の企画で、実際の雑誌購読者をモニターとして会議に招いて特集記事の切り口や雑誌の付録について意見交換を実施しています。旅行代理店のクラブツーリズムでは、リピータが添乗員になりツアーの企画や運営にかかわりながら、社内に改善点をフィードバックするなどが行われています。このような営みで生み出された企画や改善点は、非常に的を得ており成功確率が高いことは言うまでもありません。また、こういった活動の継続性が資産となり蓄積していくので、企画の強さや魅力が時間と共に増していきます。ここまでの活動を行えている企業は非常に稀ですが、これを実現できれば企業競争力の一助となることは間違いありません。

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