新規事業事例
アマゾン ペルソナ設計したストアを開設 バイヤーによる人的提案を開始
2014.05.24
カテゴリ:新規事業
アマゾンは、2014年4月から女性向けに特化したコーナー「Amazon Woman」を新設。また、続けて2014年5月から「こだわる男の趣味ストア」をオープンした。
どちらもターゲットこそは異なるが、雑誌社出身のバイヤー等がチームとなり、アマゾンの取り扱い商品からテーマに合わせた商品を厳選、提案する形で販売促進実施している点では重なる。
アマゾンといえば、ECサイトの中ではいち早く、閲覧履歴や購買履歴といったビッグデータをもと、ユーザの行動状況や趣味思考に応じたレコメンドを「機械的」に導入・実施してきていた。
「この商品を購入した人は、他にこのような商品を購入しています」といったレコメンドに思わず購入ボタンを押してしまった人は私を含め、多いのではないだろうか。
が、今回の手法はどちらかというと旧来型の「人間的」なレコメンドとなっており、そういった意味でアマゾンからすると新たな切り口を追加したとも見て取れる。
「機械的」なレコメンドは、どうしてもユーザの行動ありきで後追いの提案になるので、それに先んじた提案をするために、ターゲットを明確にした「人間的」な提案が必要との考えと思われる。
特徴は、女性像ペルソナごとの商品提案。仕事と子育てを両立する「ワーキングママ」や子育てや家事に忙しい「専業ママ」、趣味の世界の充実に忙しい「サブカル・文化系」「恋・婚活ガール」など6つの「ペルソナ」を設定、それぞれの個性やライフスタイルに合致する商品を選び、提案。加えて、日替わりで行うセール「本日の注目商品」やバイヤーおすすめのトレンド商品の提案などを行い、女性の購買を喚起している。
通常、アマゾンで「ストア」を立ち上げる際は、1人の担当者が中心となり、ストア全体を管轄する。掲載商品については各ジャンルのバイヤーから当該ストアに合致する商品のエントリーを受け付け、当該ストアに商品を掲載していく流れだ。これに対して、「Amazon Woman」の場合は、同社のウェブプロデューサーやファッションやコスメ、キッチン器具、家電などを扱う各部門をまたいで選出された女性社員10人をコアメンバーとしたプロジェクトチーム「Amazon Womanプロジェクト」を発足させ、同チームによるサイトの新設というイレギュラーな形をとった。より効果的に女性にアプローチするためだ。
ライフスタイルや趣味にこだわりを持つ大人の男性向けに、趣味のアイテムを厳選して販売。
スタート時は、写真、音楽鑑賞、アウトドア、料理、デジタルアイテムに注目し、一眼レフなどのカメラやオーディオ機器、アウトドアグッズ、調理用品や食器、タブレットPCを紹介している。
各製品のスペシャリストであるバイヤーがアイテムのそれぞれの特長やこだわりコメントを添えて紹介するなどで、これから趣味を始めたいと考えている人向けにも、接しやすい内容になっている。