新規事業事例
Ponta が勉強のご褒美になる時代
2014.06.24
カテゴリ:新規事業
明光義塾など学習塾で、ポイントサービス「教育マイレージ」を提供するアネムホールディングスと、ローソン等で使えるポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営するロイヤリティマーケティングが、2014年夏にポイント交換開始の事業提携を発表。
「教育マイレージ」は、 商品やサービスの購入金額に応じてポイントが付与される一般的なシステムとは異なり、「成績が上がった」 「部活を休まなかった」「家でのお手伝いやボランティア等を頑張った」といった、生徒の頑張りを学習結果や自己申告により評価してポイントを付与し、文具や書籍等との交換や割引に使えるサービス。また、同社はこの「教育マイレージ」を同社運営の学習塾のみならず、全国約1,800の教室にASPサービスを展開しており、運営会社の垣根を越えたポイント普及・拡張ができる素地が既にできあがっている。
「Ponta(ポンタ)」は、全国103ブランド、約22,500店舗にて利用でき、6,328万人会員が利用している。昨今はリクルートポイントとの統合も発表されTSUTAYAポイントの会員数(約4,730万人 2013年のアクティブ会員数)を上回る会員規模を有している。
ただ、ポイントは提携先の拡大や流通規模のみを追求すると、実際のお金に近くなりポイントならではの価値が希薄化する傾向がある。今回リリースにあった学習塾で子供が頑張ったご褒美を「Ponta(ポンタ)」にする仕組みは、お金ではなくポイントをご褒美にすることで子供のモチベーション向上を促しつつ、目先のお金のために勉強するといったある意味の不健全さを払拭できる新しいポイントならではの価値がでそうな面白い取り組みに見える。またこういった報酬形態はゲームに近い感覚もあり、教育とゲームの垣根の橋渡しに利用されるといった融合も期待される。
ポイント事業は、各社競争が激しくなりつつもポイント提携先の拡大以外では少し煮詰まり感が出ていただけに、こういった新たな切り口の今後が楽しみだ。
プレスリリース:http://www.loyalty.co.jp/news/2014/2014062401.php