ソフトバンク 法人向けの電気事業を開始

2014.07.01

カテゴリ:新規事業

ソフトバンクは、法人向け電気事業として電力の販売と買い取りを開始。太陽光発電などのクリーン電力を、電力会社より割安な料金で提供する。電力販売では、万一、設備に異常が発生した場合でも、バックアップ電源を契約先から寸断なしで継続して供給することが可能になるとのこと。また、現在の電力会社からの契約切替時において、初期投資は原則必要なく、書類による手続きだけで切替可能としており、仮に工事が必要な場合でも工事費や事前の調査費は電力会社側が負担するとしている。

ソフトバンク 法人向けの電気事業 スキーム

この新たなサービスをソフトバンクは自らの約40万社の法人顧客基盤を活用し、通信と電力を一体化して売り込む。電力と通信といったインフラコストの低減と、企業としてのCO2排出量を減らそうという企業の需要を見込む。初年度は約300カ所の供給を計画。まずは首都圏を中心にドラッグストアや、中古自動車販売店などの数十カ所に供給を予定。
当然、法人の次には一般消費者向けの電気事業参入を検討しているとのことで、今後は一般家庭での携帯電話と電力のセット割引などが実現されるかもしれない。

携帯電話各社は、2015度に予定されている総務省によるSIMロック解除の動きなどもあり、ソフトバンクの躍進を支えたiPhoneに代表される携帯端末での差別化時代が終焉を迎えようとしている。こうした局面を見据え、どのキャリアも自社の通信上で利用可能な各種サービスの拡充に躍起になっているわけだが、電力はこれとは少し経路が異なり必ずしも通信とセットである必然性はない。しかし、企業からしても一般消費者からしても月額で必ず発生するインフラコストであり、これがセットで割り引きになるというメリットは非常に分かりやすい。
ただ、通信キャリアが安定供給が必須となる電力事業をどこまで担えるかには疑問符も残り、今後のトラブル状況などに目を配る必要がありそうだ。

プレスリリース:http://www.sbpower.co.jp/ja/news/pdf/press_20140701_01.pdf

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