総額300億円超の官民ファンド クールジャパン機構 4事業に出資

2014.09.25

カテゴリ:新規事業

クールジャパン機構とは

経産省のクールジャパン活動の一環で組成された官民ファンド、クールジャパン機構が4つの事業に総額300億円の出資を決定したと発表
クールジャパン機構は、政府が300億円、民間企業が85億円を出資した官民ファンドで、今回が初めての出資。

今回の出資先は、
 ・阪急阪神百貨店を運営するエイチ・ツー・オーリテイリングが、中国で日本の食やファッションを取り扱う大型商業施設の出店費用に最大110億円
 ・マレーシアにある三越伊勢丹の店舗を日本のアニメやファッションなどを専門に取り扱う店舗に改装する事業に9億7000万円
 ・ベトナムにおけるベトナムにおけるコールドチェーン整備のための冷凍・冷蔵設備など物流事業
 ・日本のマンガやフィギュアなどのネット販売事業を運営するTokyo Otaku Modeへの出資、3年間で最大15億円の第三者割当増資引き受け
となっている。

クールジャパン機構は「今回は、日本の中堅、中小企業も海外に進出する際に使ってもらえるような波及効果の大きい事業を選んだ」とのこと。
賛否両論あるクールジャパンだが個人的には否定的な意見を持っている。今回の出資も伊勢丹や阪急の出店支援に見えてしまうし、フィギアECは評価が難しいが波及効果を狙うのであればコンテンツホルダーにアプローチすべきであろう。
日本のコンテンツ関連企業が海外展開する上では、知的財産や商標権、現地税制や会社法など特に法律観点でのサポートが必要でこういった点に国がまず切り込んでいくのかと思いきや、民間でも問題なく出来そうな見本市の開催支援など、多額の税金を使っている割には難しい課題の解決からは遠い営みに終始している印象。
更なる消費税増税判断など財政再建まったなしの中、このファンドにかける300億円の政府資金(=税金)は決して少額ではなく、経産省がこの分野で存在価値が発揮できないなら全てを民間に委ね、税金の無駄遣いをやめるべきだ。

クールジャパン機構:http://www.cj-fund.co.jp/

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