新規事業事例
楽天 格安スマホに参入 3年後に1,000万台の販売目標
2014.10.29
カテゴリ:新規事業
楽天は、格安スマートフォン(以下、格安スマホ)事業に参入すると発表。
通信費や端末代価格をおさえつつ、無料通話アプリやポイントなどと組み合わせた新サービスを提供、3年程度で1千万台の販売を狙うとの意気込み。2015年5月より総務省が全端末SIMロックフリー化の方針を打ち出していることも有り、格安スマホに参入する企業があとを絶たない昨今、日本のネット通販最大手も遂に触手を伸ばした。
格安スマホは「楽天モバイル」としてNTTドコモの回線を借りて、楽天子会社のフュージョン・コミュニケーションズが展開。通話アプリ「楽天でんわ」は月額使用料2200円(標準モデルで)と、大手携帯電話会社の約3分の1。あわせて台湾エイスース製のスマホ端末を2万6400円で販売。チャットアプリ「バイバー」、「楽天でんわ」がプリインストールされているとのこと。
格安スマホでは先行しているイオンが累計で4万台以上を販売。端末代と通信費のセットで1980円/月の料金設定でガラケーからスマホへの乗り換えに迷っていた層から支持をうけ、シニアや主婦などからも人気を集めている。
今回の発表、3年後に1,000万台を目指すと意欲的だが、先行するイオンも限定数万台程度であり、また大手キャリア(楽天の場合はNTTドコモ)から回線を借りるというビジネスモデルの制約上、貸す側の大手キャリアのビジネスを大幅に侵食するまでのシェア確保は難しいと思われる。ただ、来年5月に控えているSIMロックフリー解禁以降、これまでの長く続いた3社寡占の業界バランスが崩れる可能性は大いに有り、格安スマホ各社を含めた新たな棲み分けの境界線が今後模索されるのではと思われる。
リリース:http://corp.rakuten.co.jp/news/press/2014/1029_01.html