新規事業事例
Evernoteと日本経済新聞が資本・業務提携 有料会員向けにメモに関連するニュース記事を自動配信
2014.11.10
カテゴリ:新規事業
日本経済新聞社とEvernoteが2014年11月10日、資本・業務提携することで発表した。
日経はEvernoteに2000万ドル(約23億円)を出資、提携第一弾として2015年初めから日経電子版とエバーノートのサービスを連携させる。
Evernoteはスマホなどのネット経由でクラウド上に文章メモや写真を保存するサービス。今回の提携により、Evernote上で文書を作成するとその内容に関連した日経電子版記事が自動的に関連づけられて配信されてくるとのこと。逆に、日経電子版の読者は記事を閲覧しているときに、Evernote上の文書から関連情報や名刺などが自動的表示されるようになる。
Evernoteは、類似のサービス連携を米国で先行して勧めており、米メディアのダウ・ジョーンズやTechCrunchと提携している。
日本では、2010年にNTTドコモと提携、この際はドコモ社製のスマホ端末にEvernoteをプリインストールするという内容の提携で、NTTドコモがEvernoteに1500万ドル出資をしている。
Evernoteは全世界で無料会員含めると1億人の利用者がいるとのことだが、今回の提携は、おそらくEvernoteの立場からはマネタイズ強化の位置づけで、日本メディアで最大級の有料会員(38万人)をもつ日経電子版との融合をはかったものと思われる。日経としては、ビジネスユースが多いとされるEvernote利用者に日経記事を配信できるというメリットを享受した形であろう。
ただ、特にスマホなど画面スペースが限られる場合、利用者にとってありがた迷惑になりかねない(Evernoteでメモを書いている時にニュース記事が配信されてきて利用者は嬉しいか否か等)ので、米国での先行事例も参考にしつつ具体的なサービスの詰めには慎重さも要求されると思われる。
プレスリリース:http://www.nikkei.co.jp/news/release_20141110_01.pdf