新規事業事例

ドワンゴ　2015年の新卒採用試験も有料を継続

2014.11.13

ニコニコ動画などを運営するドワンゴは、2015年春の新卒採用から導入した有料の受験料制度を16年春採用でも継続すると発表。15年春採用の受験料は「ニコニコ動画」にちなみ2525円としていたが、16年春採用では3000円とする。

ドワンゴは近年、学生がネット上の就職サイトを通じて手軽に多数の企業に応募する状況を問題視、「本当に入社したい人材に集まってもらう」として新卒採用の申し込みを有料とした制度を導入。この影響で15年春採用では応募者が63％減ったものの、前年並みの内定者を確保。内定者の承諾率は前年比約120％で意欲の高さが一定以上確保できた模様。

受験料徴収を巡っては、厚生労働省が本取り組みについて職業安定法の「労働者募集における報酬受領の禁止」に抵触する可能性があるとして、16年春採用以降は実施しないように行政指導していた。このためドワンゴは16年春採用では書類選考までにかかる費用を約6,000円と算定したうえで、半額を手数料の3,000円を徴収するという形で学生にもコストの一部を負担してもらうという名目に変更。また、あわせて初年度は徴収した受験料を「独立行政法人　日本学生支援機構」に寄付していた営みは、行政指導の趣旨に従い次年度からは実施しないことを発表。

新卒採用の申し込みを有料化する制度という手段については賛否が分かれるが、企業としては本当に意欲のある学生を見極め、採用の初期段階から人数を限定した上で面接などの機会でより親密に相互理解をはかる営みは重要であろう。新卒採用の現場では、ドワンゴ社の問題意識と同様、近年のネット経由でエントリーシートが一斉配信されてくる手法が、企業側の採用活動負荷をあげるだけで必ずしも有効に働かないことが課題となっており、「本当に意欲のある人材」を効率的に見極める手法について、今後も継続的な模索が実施されると思われる。

リリース：http://info.dwango.co.jp/pi/ns/2014/1112/index.html