技術経営・MOT事例
NTT ドワンゴ 小林幸子公演でOculus Rift端末へ360度映像のリアルタイム配信
2014.11.21
カテゴリ:技術経営・MOT
NTT持株会社とドワンゴは、小林幸子さんが2014年11月17日に行うコンサート「50周年記念 小林幸子in日本武道館~夢の世界~」(東京・日本武道館)において専用機材を使い撮影した360度全方位のリアルタイム動画をネット配信する。利用者はドワンゴが運営するニコニコ動画のサイトで、HMD型のディスプレー端末(Oculus Rift)を設定することで好きな方向を視聴できる。つまりコンサートの疑似体験ができるわけだ。
仕組みは、専用アプリを取り込んだパソコンで映像データを受信、Oculus Rift端末で視聴する。360度全方位を高画質で送るとデータ量が膨大になるため、見ている方向だけ高画質にし、周囲は低画質で送る技術を採用しているとのこと。当日は通常のニコ生中継(こちらは通常の動画配信)とあわせて実施される。
実際に両者(通常の動画配信のニコ生と、360度全方位映像のOculus Rift映像配信)を見比べると、映像の解像度の点で圧倒的にニコ生映像が勝っているのが現状で、Oculus Rift映像の画像の荒さが目立った。また、カメラ位置もOculus Rift映像用のカメラは舞台袖の固定カメラであったこともあり、今ひとつ臨場感に欠ける印象であった。新たな映像技術には新たな撮影技術やノウハウも必要と思われこのあたりは今後の課題となりそうだ。
ドワンゴ社は、ニコファーレなどの施設を活用して今後も本取り組みを継続していくとのことで、より高精細な映像と360度全方位に適した撮影手法があいまった際にこれまでにない新たな世界観がひらけることを期待したい。
リリース:http://info.dwango.co.jp/pi/ns/2014/1113/