技術経営・MOT事例
ソフトバンク 空中に浮かぶ発電所&通信基地局の米ベンチャーに出資
2014.12.05
カテゴリ:技術経営・MOT
ソフトバンクは米風力発電ベンチャーのアルタエロス・エナジーズ社に、700万ドル(約8.4億円)出資すると発表。風の強い上空に円筒型の設備を浮かせて発電する非常にユニークな技術で、飛行船型の風力発電設備をヘリウムガスで浮上させ、地上より強くて安定した風で発電。電力効率も高く、600メートル上空では地上の風車発電に比べて約2倍の電力量が得られるという。設備は標準的な輸送コンテナでの運搬が可能で、従来の風力発電に必要な建設機材の準備や大規模な基礎工事などを要することなく発電を行うことができるとのこと。
また、この空飛ぶ発電所にモバイル通信の基地局機能を組み合わせることで、電力・通信インフラの整備が整っていない新興国のへき地や離島、災害時において簡易的な発電と通信の基地局になりうる。ソフトバンクは今回の出資に伴い創業者2人に次ぐ株主となり、取締役も派遣する。
アルタエロスは実証実験で一定の成果を得ており、増資で得る資金を活用して16年初めの商用化をめざしている。ソフトバンクらしく、先進的な技術を早い段階で目利きした思い切った出資といえ新規事業として推し進めているエネルギー分野と従来の通信分野を融合さえるプロダクトとしても非常に興味深い。日本国内での需要は主に災害時がメインかもしれないが、グローバルには新興国をはじめ本プロダクトが適用可能な地域は多いとの推測もたち、何より近未来的な空飛ぶ発電所にロマンを感じる。
リリース:http://www.softbank.jp/corp/news/press/sb/2014/20141205_01/
アルタエロス・エナジース社:http://www.altaerosenergies.com/