技術経営・MOT事例
「Oculus Rift」360度の仮想空間 HMD 脳が錯覚して恐怖さえ感じる
2014.06.18
カテゴリ:技術経営・MOT
スマートフォンがそうであったように、エンタテイメント、コミュニケーション、教育など幅広い分野に大きなインパクト与える可能性をもった製品が登場した。名前は「Oculus Rift」360度3Dの仮想映像空間が視聴可能なヘッドマウントディスプレーだ。
まだ開発用の試作機段階だが、ゲームやライブ映像配信などの分野でコンテンツやその場にいるような臨場感のあるリアルタイム配信の仕組みを日本企業がこぞって企画、開発中の商品となっている。
この製品を開発した「Oculus VR社」、Facebookに2014年3月に総額約2,000億円で買収されており、優良企業の青田買いともとれる。
デモソフトとして、3D空間の中のジェットコースターを体感できるソフトが、「Oculus Rift」に付属されているのだが、それを体感しているユーザの反応で、この製品のこれまでにない可能性を感じることが出来る。
YouTubeに投稿されている「Oculus Rift」のジェットコースターデモ体験者の映像
ここ数年、市場を席巻したスマートフォンは、競合がひしめき合うことで、成熟期をむかえており、どの会社も明確な差別化が難しくなっている。そこで次のインターフェースとして期待されているのが、GoogleGlassなどのウェアラブル端末であるが、これらはあくまでスマホのインターフェースを小さくして、メガネや時計など普段使いの他製品に付帯させたもの。それ以上でも以下でもないように見える。
が、この「Oculus Rift」は体感できる世界観そのものが違い、脳はそのリアリティに恐怖や快感を覚え、もはや仮想とリアルの境目を曖昧にさせる産物となっている。
日本企業でもマンション販売会社や賃貸仲介会社が、販売・賃貸募集中の部屋の内覧をバーチャルに実現する手法に活用したり、ライブ会場のニコファーレと動画配信サイトのニコニコ動画を運営するドワンゴ社は、「Oculus Rift」を使ってライブ会場(ニコファーレ)とインターネットユーザ(ニコニコ動画ユーザ)を結びつけようとしている。
可能性はまだまだ裾野を拡げる一方で、アイディア次第といった状況が見て取れる。
革新的な製品の登場で、新たなビジネスモデルを確立する企業が今年、来年と続々と登場するのは間違いないのではなかろうか。
関係者の話によると、日本支社や日本での販売の開始もまもなくということで、そういった機会を契機に一気に認知度があがる可能性も高い。