新規事業事例
資生堂 化粧品の原料を自社栽培
2013.04.02
カテゴリ:新規事業
資生堂が、自社内に「植物栽培実験施設」や「実験農場」を稼動し、生産者の顔が見える安心・安全な植物原料の生産に着手している。
これらの取り組みにより“生産者の顔が見える”安心・安全な植物原料の開発に着手します。
掛川工場の実験棟内に、化粧品などの生薬原料となる植物を効率的に栽培できる「植物栽培実験施設」を設置、あわせて、同工場敷地内には「実験農場」も開設し運用を開始している。2014年に入り、自社の管理下で栽培された植物を配合した化粧品を販売している。
化粧品といえば、テレビCMに代表されるビジュアルやイメージ重視のブランド戦略が主なマーケティング手法で、成分も美容効果の有無が主なアピールポイントであったが、今後は資生堂の目指すような「安心・安全」といった要素もより重要視されてくるのではと思われる。化粧品の消費トレンドとしては、ナチュラル・オーガニック志向層が拡大していることに加え、食品偽装などの影響もあり、トレーサビリティー(追跡可能性)などの安心・安全に対するニーズが増大している。
化粧品は、ブランドイメージで先行する海外企業がひしめく中、日本らしい「安心・安全や品質」といった切り口でこれらに対抗しようとする姿勢は筋が良いように思える。今後、日本のみならず世界全体で人口動態の高齢化が進み、そういった層のニーズとして化粧品にも美容効果と同義かそれ以上に素材や成分の安全さが問われる時代が本格化すれば、資生堂のこういった取り組みはその先鞭として有効に作用すると思われる。
プレスリリース:http://www.shiseidogroup.jp/releimg/2146-j.pdf?rt_pr=tr028