マーケティング事例
元SONYのVAIO 発売一ヶ月後に1万円値下げ
2014.08.07
カテゴリ:マーケティング
2014年7月にSONYからパソコン事業を分社化、VAIO株式会社として再スタートしてから1ヶ月ほど経過したこのタイミングで、法人化と同時に発売した新VAIOの3シリーズ「VAIO Pro 11」「VAIO Pro 13」「VAIO Fit 15E」の価格を1万円下げるという発表がされた(ITmedia記事、SONYマーケティング社の直販サイト上にもプライスダウンの表記がみられる。)
値下げの理由は、市場環境を総合的に勘案した結果という。ウィンドウズXPのサポート終了に伴う買い替え特需が薄れてきたため、価格面での魅力を高め、購入を促すという意図もある。
このニュースを聞いて「お、VAIOが一万円安くなるんだ、買いに行こう!」と感じた人はどれほどだろうか。
少なくとも私は、VAIOはさっそくつまずいたのだなとの解釈をし、購買意欲は逆に下がった。そもそもSONYのVAIOはブランドとしては斬新な機能とデザインを伴う高付加価値品であり、数万円で購入可能な低価格パソコンが横に並んでいても、思わずVAIOを購入してしまう魅力が期待されていると思う。
にもかかわらず、今回の対応は価格勝負に身を投じる苦し紛れの施策に見え、分社化された事でより必要と認識されていたはずの抜本的な戦略の練り直しや自活していく覚悟のようなものが感じられないのは私だけだろうか。
パソコン市場は競争が激しく、一度勢いの落ちた状態から再び勝ち上がることは容易ではないと思われるが、日本を代表するパソコンブランドとしてぜひこの苦境を打破して頂きたい。
VAIO株式会社:http://vaio.com/