伊藤忠、タイ財閥と共同で上海にネット通販拠点

2014.08.02

カテゴリ:新規事業

伊藤忠商事はタイの華僑財閥チャロン・ポカパン(CP)グループとの業務提携を発表。内容は、上海にある自由貿易試験区を拠点に日本製品ネット通販を中国向けに行うもの。貿易手続きの簡素化などを進める上海の規制改革特区を活用することで、個人輸入に比べ納期が短く低価格にできる点を活用する。米アマゾンも参入を表明しており、これまで中国企業が高いシェアを誇示していた中国のネット通販市場において、外資企業の競争が激しくなりそうだ。

伊藤忠とCPグループは株式の相互持ち合いを実施、また日本政策投資銀行も介入する形で新合弁会社を設立(詳細スキームは、下図を参考)。伊藤忠 CPグループ 資本・業務提携詳細は今後詰めの作業に入り2015年にも事業を開始する予定。

新会社は伊藤忠を通じ、日本のブランド品や衣料品、中国で人気がある日本製の粉ミルクや紙おむつなどを販売する。商品ラインナップの拡充へ、アパレル分野では他の日本企業へ参加も呼びかける。
中国では、紙おむつなどで日本製品の人気が非常に高いが、現在は代行業者に頼る個人輸入が主流で、手に入るまで一ヶ月程度かかることもある。本方式では納品は数日で済み、商品によって個人輸入に比べ3割程度安くなるとのこと。

中国のネット通販市場規模は今年、前年比約5割増の50兆円弱に達する見通し。成長著しい中国ネット通販市場に日本企業として先手を打てるメリットは計り知れず、この動きに刺激を受け、ビジネス提携の素地となる信頼関係を構築し中国進出をはたしていく企業が増えていくのではと思われる。

リリース資料:http://www.itochu.co.jp/ja/ir/calendar/files/ITC140724_presentation_j.pdf

この記事をシェア

おすすめ記事

ピックアップ事例トップへ