パナソニック 総事業費600億円のスマートシティをグランドオープン

2014.11.27

カテゴリ:新規事業

パナソニック Fujisawa SST コンセプト

パナソニックが神奈川県の湘南で開発を進めてきた環境配慮型のスマートシティー「Fujisawa SST」を2014年11月27日にグランドオープンした。

全住戸に太陽光発電と蓄電池を配備、電力の見える化で省エネも促す。街全体でCO2排出量の1990年比70%削減をめざす。住民は余った電気の売却で収入を得られ、災害時は非常電源にも活用できる。街中にくまなくLED街灯と監視カメラを配置し防犯面も考慮されている。

パナソニック Fujisawa SST 数値目標

価格は5,000万~6,000万台とJR藤沢駅から約2キロの立地の対して割高となっているが、震災やその後の電力問題の影響もありスマートシティーのコンセプトが支持されており、初期分譲分は売れ行きは好調とのこと。

キッチン設備や監視カメラなど、住宅や街に導入される機器の大半をパナソニックグループが供給。住戸数は1千戸、自社の広大な工場跡地に、戸建て住宅600戸、集合住宅400戸を建設予定で、すでに120戸が分譲済み。各種設備の販売以外にも、健康管理支援などのサービス収入なども含めて30年間累計で売上高400億円を見込んでいるとのこと。

パナソニックは、本事業を成功モデルにして海外も含めた展開を計画しており、家電メーカーから脱皮し都市環境をトータルで提供するハウスメーカーとして事業領域を拡げていく目論見もあるようだ。深刻化する高齢化や地方の衰退などといった社会問題を背景に、地方の高齢者の住居をある程度集約することで医療・介護なども含めた効率的な都市サービスを提供する意味合いでのスマートシティも検討されており、今後もこういった次世代の都市環境を生み出すための試行錯誤は続くと思われる。そういった流れの先見例として、まずはこのFujisawa SSTに住んだ人々の生活や暮らしがどのように豊かになるか見守っていきたい。

サービスサイト:http://fujisawasst.com/JP/
リリース:http://news.panasonic.com/press/news/data/2014/11/jn141127-1/jn141127-1.pdf

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