マーケティング事例
マクドナルド ユーザと共同で新たなソース開発
2014.06.02
カテゴリ:マーケティング
日本マクドナルドが、同社としては初の試みとなるユーザ参加型の商品開発プロジェクトを発表。内容は2014年5月から販売されている「とんかつマックバーガー」の新しいソースを一般ユーザとの会合を重ねて味を決めていくとの内容。
ネット経由でデザインやアイディアを募集するクラウドソーシングの仕組みは、ネット業界が先行する形で進んできたが、昨今では多分野に拡がってきており、食品・飲食業でもこういった事例が増えてきている。
2011年7月には、サッポロビールが「百人ビール・ラボ」第二弾と称して、Facebookを通じて新しいビールの開発を行うプロジェクトを実施。『みんなでつくるビールの未来!』をテーマに、約10,000人のユーザによる投票や意見集約を経てビールを開発するという試みを実施している。
こういった取り組み、商品開発/マーケティングと販促/プロモーションを同時並行で進める新たな取り組みとして注目されているが、現時点ではどの企業もその効果は限定的なように見受ける。
マクドナルドやサントリーといったクラスの大企業の場合、販促/プロモーションの観点では、既存ブランドの付加価値で商品がよければ間違いなくヒットするであろうし、商品開発/マーケティングの観点では、仮にそれをアウトソースできるのだとすれば、大企業といえども自らの存在意義が大きく希薄化したことを世の中にしめすことになるのではと不安に思う。
マーケティングや商品開発は多くの場合、そのリーダーの独自性が尊重され、他人には説明が難しく感覚的な部分もある仮説があることが非常に重要で、それがない中で皆の意見を総花的にまとめる手法でよい商品ができるという例はすくない。クラウドソーシングも仮説に対する具体的なアイディアを募集するという意味では有用と思われる。
とはいえ、このプロジェクトは開始されたばかりであり運用形態も今後変わっていくことも予想され、そういったプロセス変化も含めてどういった結果がでるのか注目される。
プレスリリース:http://www.mcd-holdings.co.jp/news/2014/promotion/promo0602a.html