ビール3社、すかいらーくに合計100億円出資 マーケティング連携

2014.09.12

カテゴリ:マーケティング

すかいらーく ビール

アサヒビール、キリンビール、サントリーの三社は10月に再上場するファミリーレストラン大手、すかいらーくに計100億円を出資すると発表。顧客データの分析に力を入れる同社と組み、マーケティングなどで連携する。ビールとは少し縁遠いと思われるファミレスの利用の主婦や若者との接点を持ち、利用者の動向や料理との相性などをはかる目論見と思われる。

すかいらーくは自社のマーケティング活動として、頻度の多い料理の組み合わせ注文などの切り口で購買データを分析、メニュー開発に活かしている。
今回の出資でビール各社は新製品をメニューに載せ、どんな顧客層が主に飲んでいるかを割り出したり、どんな料理と一緒に注文されることが多いか分析したりといった活動ができる。またすかいらーくは酒類の販売を増やして客単価を引き上げ、客足が鈍る夜間の集客力を高めるなどの効果を見込める。

ビール市場は2007年以降、縮小が続いており、11年には1兆円を割り込むなど苦戦が続く。一方で、ファミレス業界は堅調。14年1~6月期のすかいらーくの売上高は前年比2%増の1656億円。ロイヤルホールディングスも過去最高を更新。大手ビール各社としては、縮小が続くこれまでの市場環境を離れて、周辺の成長市場に一石を投じるという意味合いも大きい。が、マーケティング活動の結果で顕在化してくるであろう消費者ニーズは多様化、つまり、これまでのようにアルコール=ビール=アサヒ or キリン or サントリーといった構図は成り立たなくなってくるという現実にあわせて、ビール各社が商品ラインナップを多様化するなど抜本的な取り組みにまで繋げられないと、新たな収益柱の獲得には繋がらないと思われ、今後は消費者の動向把握の次の動きに注目したい。

アサヒビールの出資比率は1.5%でキリンビールが1.4%、サントリー酒類の子会社が0.7%程度の見通し。すかいらーくにとっては再上場を控えて安定株主づくりにもつながる。

リリース:http://www.skylark.co.jp/company/news/pdf/2014/140828_1.pdf

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