事業撤退、サービス終了事例
住友商事 ネットスーパーから撤退 激しい競争下で収益モデル確立できず
2014.09.02
カテゴリ:事業撤退、サービス終了
住友商事が、サミットネットスーパーとして展開していたネットスーパー事業からの撤退を発表。撤退を決めたのは、成長市場に参入者が相次ぎ競争が激化する中、無料の配送サービス等でコストがかさみ黒字化が難しいと判断した。
同社に限らず、ネットスーパー事業を展開する各社は、ほとんどが赤字のようだ。ネットスーパーでは併設するリアル店舗と同一価格が一般的。ネットスーパーでは店員が宅配箱に商品を詰め、顧客宅に届けるコストが余計にかかる。首都圏では一定額を超えた注文は無料で配送する例が多いが、受注が増えないと配送コストが吸収できないコスト構造になっている。
実際、住商もネットスーパーは年間で10億円超の赤字だった模様。イトーヨーカ堂が各店舗から商品発送する方式なのに対して、住商は配送機能を2カ所の物流センターに集約、そこから東京・横浜などに宅配していた。作業や在庫コストは圧縮できるが、トラックの移動距離は長く配送コストはかさむモデルを選択していた。
ネットスーパー市場は940億円(2012年度)、さらに今後5年で2.5倍超と急拡大する見通し。楽天やアマゾンも食品の取り扱いを増やしており、競争が激化するなかいち早く損益分岐点を超えた数社のみが生き残るサバイバル戦の様相を呈している。
サミットネットスーパー サービス終了のお知らせ:http://summit-netsuper.com/promo/campaign/140901_close/index.htm