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新規事業コンサルティング「KPI」の用語について解説!

用語「KPI」について解説しています。
基本的な用語の解説はもちろん、「KPI」の意義や定義についても紹介しています。

多様化とスピードが求められるマーケティング施策の成否をはかるため、KPIは不可欠です。また組織戦略上において、何に注力するか(注力しないか)を明確に定めてチーム成果を結集するためにもKPIの果たす役割は大きく、文字通りの最重要指標と言えます。

KPIとは

KPIとは、「Key Performance Indicator」の略語で、「重要業績評価指標」と訳されることが一般的です。
企業が重視する指標としては、売上や利益あるいはコストといったものになりますが、KPIでは売上やコストに直結する別の指標、たとえば顧客数や離脱率、原価率などが設定されます。

KPIにどの指標を設定するかはその会社の業種業態、ビジネスモデル、競合優位性などが反映され個別に異なります、例えば小売業では来客数や来店頻度、客単価など。製造業では、原価率の他に不良品率や納期遵守率などが設定されます。

KPIは、組織で事業を営む場合には欠かすことができません。特にその重要性が際立つのは売上や利益が鈍化したタイミングです。売上や利益が上がらないという時期には、組織内の各所で「何をどうすれば良いのか」という試行錯誤がされますが、KPIを何に設定するかで意思統一がなされてないと思惑やアクションがバラバラとなりますます泥沼にはまります。

またKPIを何にするかは絶対的な正解がなく、企業戦略と整合をとる形でKPIに落とし込む必要があります。わかりやすい例では、同じ小売業であっても客単価の安いお店は来客数や来店頻度の延べ数をKPIとするでしょうし、逆に客単価の高いお店では、優良顧客に絞った再訪問率や顧客満足度をKPIに設定して囲い込み重視の指標とするなどです。

KPIの活用方法・事例

KPIを設定していないという企業はほとんど無くなってきている印象ですが、会社にとってKPIは何なのかを常に見直して、PDCAを回すことを徹底している会社は少ないのではないでしょうか。
月次報告会では決まった経営指標が何年も同じ項目で報告されつづけ、もはや惰性となっておりその数字をあげることが必要なのかどうなのか曖昧になりがちです。

KGIとKPIの違いを気にする方も多いのですが、そこも本質ではない気がします。KPIとは事業の要点を端的に定量化する指標であり、KPIの成否が事業の成否に直結する最重要パラメーターである必要があります。KPIを何するかに常に注意を配り、意識を統一し、分析を徹底するこういった営みが必要です。

KPIの失敗事例

典型的な失敗ケースを上げてみますと
・単純にKPIの数が多い。重要な指標が多すぎてあると何に重きを置いているか曖昧になる
・KPIの設定ミス、あるいは長期間見直されずに放置。
・KPIの数字を見る運用が徹底されていない、下がっても上がっても組織でその要因について深掘りをする習慣がない。

つまり逆説的に言えば、
「KPIは、なるべく数を絞って、事業に直結する指標が常に見直され、結果の分析結果について組織内での意識が統一され、その後のアクション改善が徹底されている」必要があります。

売上を上げろと言われても、その実現は難易度が高いですが、例えば顧客先への来店頻度を上げろということであれば、足腰が丈夫であれば実現可能なわけで、それを足がかりに業績が上向く可能性がでてきます。KPIとはいかに事業収益を獲得していくかのマーケティング戦略を端的に指標化、組織行動に統制をもたせるものと言えます。

KPIの導入に必要なこと

ここまでお話ししたように何をKPIに設定するかは非常に重要で、企業成長に影響を及ぼします。
企業戦略、差別化要素といった強みを洗い出し、KPIを候補をいくつか出した上で比較評価してより重要なものを数を絞って精査する営みが必要です。同業他社や著しい成長をしている多業種の企業の動向などもおさえられるとなおベターでしょう。(老舗小売店舗がAmazonに浸食されるなど多業種も意識すべき時代です)。

組織心理で考えるとあの指標もこの指標も同時に達成せよというのは力の分散や言い訳の温床となります。これだけは必ず達成せよということであれば逃れようがなく、意識も行動も分散しません。
また導入初期には暫定KPIをいくつか比較・評価した上で、現実ラインに絞り込んで行く営みも重要です。そういった意味でも外部のコンサルを交えて、導入プロセスを滞りなく進め、意義のあるKPIの安定運用まで最短距離で進めのことは合理的と言えるでしょう。